第18回夕陽丘うえまち写真コンテスト
審査員 総評
審査委員長:江口保夫氏(フォトキョイ)
まずは、入賞おめでとうございます。
今年のコンテスト応募点数が300点ほどとのことで嬉しいですね。
申し込み締め切り日を2か月遅らせ、なにわ人形フェスの応募点数も増加で嬉しい限りです。
今年の応募写真内容は例年になく幅広くレパートリーに富み、楽しく審査させていただきました。
全般的に今までより作品のレベルは高く、今回受賞された作品の中には全国版の写真コンテストでも上位入賞できる実力のある写真も見かけました。
また、今回入賞されなかった作品の中にも他のコンテストでは入賞間違いなしと思われる写真も多数見受けられました。
今年残念だった皆様、来年こそ頑張ってたくさんの写真を撮って入賞を狙ってください。
お待ちしております。
審査委員:清水ミサコ氏(ラメカカメラ堂)
王道作品、独特な目線の作品、抒情的な作品、人物模様作品など、それぞれ切り口の違う作品が受賞されました。受賞作品には「こういう作品にしたい」という確固たる意志や、「こんな風景を撮影したので、こんな風にプリントしてみよう」という創意工夫があるように思われます。つまり、自分にしか応募できない作品であるかどうかが重要なのです。
もっとも受賞作品はアンソロジーのようなもので、その年にどんなテイストの作品が応募されたか、同じ傾向の作品が他に存在するか、という点にも左右され、正直、運もあります。
今回、「こんなに素敵な作品を応募したのになぜ選ばないのだ、審査員たちは!」という方が恐らく数名いらっしゃると思いますので、ぜひ次回、リベンジしてくださいね。
七坂賞と人形フェス賞が狙い目ですよ。
審査委員:田中一泉氏(日本写真映像専門学校)
今年は例年とは傾向が変化し、豊かな視覚表現を目にすることが叶い、とても嬉しい気持ちで満ち溢れました。審査時では毎年、頭を悩ませおりますが、今年は例年になく長考する時間がありました。それは、冒頭でも申し上げた豊かな視覚表現が多くあったからです。写真は技術的な視点のみではなく、作者の頭の中のイメージがどれだけ視覚表現として立ち上がっているかが重要になっています。また、写真の良さや価値基準とは時代とともに変化して行きます。学生時代の何気ない集合写真でも5年、10年と月日を重ねるごとに集合写真から想起される学生時代の記憶は美化され、懐かしく感じると思います。
受賞された作品は審査員の皆様と悩みながら、選出させていただいた素晴らしい写真です。
それは5年、10年と月日を重ねることでこれらの写真は深みが増していくと考えたからです。そのような作品に出会う事ができたこと、応募者の皆様に感謝申し上げます。また、来年もまだ見る写真の素晴らしさに出会えること、心から楽しみにしております。